これからどうなる?格安SIM(MVNO)

おカネのはなし

私は、2010年頃からかれこれ10年くらい格安SIMにお世話になっております。
当時の選択肢はb-mobileくらいしかなかったんですが、今やY!mobileやUQmobileなどのキャリアのサブブランドやiijmioやmineoといったたくさんのプレーヤーも登場し、ずいぶん市民権も得ました。ですが、この格安SIM業界は重大な局面に差し掛かっています。
みなさんもご存知の政府主導による通信キャリアの料金値下げ。これによりキャリアと格安SIMとの価格差が縮まり、格安SIMのビジネスモデルが崩れかけています。退場を余儀なくされる事業者も出てくるものと思われます。

そもそも格安SIM(MVNO)って何?

MVNO(Mobile Virtual Network Operator) とはキャリア(docomo、au、SoftBankなどMNO)から回線を借りて通信サービスを提供する業者のことを言います。イマイチな例えですが、家で使う電気をイメージしてみてください。新電力に申し込みを行うと、家に引き込んでいる電線は変わりませんが、新電力に切り替わりますよね。価格もサービスも新電力ですが、実際の電気はいつもの大手電力会社の送電網を通じて供給されています。新電力会社が格安SIMの事業者(MVNO)で、送電サービスがキャリア(MNO)といったイメージです。大手のインフラを安価に利用しながら、独自のサービスを顧客に届けています。

キャリア各社の新サービスは?

今回、キャリア各社が出してきた新料金はざっくりいうと次のとおりです。
・docomo(ahamo):20GB 2,700円(税抜き)※通話無料含む
・au(povo):20GB 2,480円(税抜き)※通話無料は+500円
・softbank(LINEMO):20GB 2,480円(税抜き)※通話無料は+500円 

楽天モバイルの2,980円を意識した価格設定とは思いますが、
これまで格安SIMの容量がやや大きいプラン(6~10GB)が2,000円強でしたので、格安SIMとしては価格の優位性を大きく損なう状況になっています。

それでも私はMVNOを使う!

とはいえ、MVNO側もだまっていません。各社新しい料金プランを出してきました(現在進行中)。
私のような3GB程度のライトユーザーにとっては、MVNOはまだまだ魅力的です。

現時点でも以下のような有力な選択肢があります。
iijmio:2GB 780円(税抜き)、4GB 980円(税抜き)
mineo:1GB 1,180円(税抜き)、5GB 1,380円(税抜き)
nuroモバイル:3GB 720円、5GB 900円(税抜き)

小学生の子どもに持たせているスマホは電話と位置確認が主目的なので、とことん基本料が安いnuroモバイルやiijmioの700円ちょっとで十分。mineoは容量超過時のリカバリがしやすいので、妻と私はmineoの5GB契約で、余った容量を使いまわすのもいいかなと考えています。

各社のプランを見比べながら、もう少しMVNOを続けたいと思います。

おわりに:政府の通信業界への向き合い方はいかがなものか。

政府が細かなサービスにまで注文を出すのは個人的にはどうかなと思います。
スマホが生活のインフラになっていて、キャリア3社が大きな利益を上げていて、公共のリソースである電波を使っていて…という公共財としての前提条件が確かに揃ってはいます。
料金が高いけれども、回線品質が良いとか、ショップでの手厚いサポートがあるなど、キャリアにはキャリアの優位性があります。一方で、「料金が高い」という不満を受けて、多少サービスは劣るけれども料金が安い「格安SIM」という業界が生まれました。ユーザーはメリット・デメリットを比較してどちらかを選ぶことができました。
ですが、今回の新プランで廃業に追い込まれるMVNOは少なくないと思っています。また、今回の新料金プランはすべてオンライン手続きが前提なので、ショップの淘汰も進むかもしれません。
数年後、気づけば「選択肢がキャリアのオンライン手続きしか無くなってしまった」なんて事態になるかもしれません。
情報後進国になりかけている日本においては、「わかりにくい」ことを悪とするのではなく、それらを理解し、逆手に取るくらいのしたたかさを一人ひとりが身に着けることを目標にするくらいでちょうどよいのではないでしょうか。
今回の件で、かつて高速道路をどこまで行っても1,000円にしたために、各地でフェリー業者が廃業に追い込まれたことを思い出しました。思っているほど世の中単純じゃないんでしょうね。

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